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プロジェクト

日本とオランダの交流の歴史

日本とオランには、4世紀以上にわたる交流の歴史があります。1600年にオランダ商人が日本に到着した後、1609年に平戸に商館が設置されました。このオランダ商館は後に、長崎の人工島、出島に移されました。オランダより早く来日し、貿易とともにキリスト教の布教を目的としたポルトガルとは異なり、オランダは商業に重点を置き、日本の商人たちと実利的な関係を育みました。しかしこの関係は1853年に日本が開国を強いられて以降大きく変わり、オランダは日本にとって唯一の貿易相手国という独自の地位を失ってしまいました。

日本各地での治水·治山

日本は山が多く大雨が降りやすいという地理的条件から、長い間洪水や水害などの治水管理に課題を抱えていました。急速に近代化を進めた明治時代、日本政府はこの課題を解決するため、外国からの専門知識を採用しました。いわゆる「お雇い外国人」と呼ばれ、近代化のため西洋からの専門家を招聘したのです。オランダは当時、治水土木技術が高く評価されていたため、オランダ人土木技術者集団「ウォーターマンネン」が多数日本に招かれ、日本の治水にまつわるインフラ整備に貢献しました。1872年以降、彼らは日本各地において重要な改革を実現していきました。

明治時代に遺したもの

「ウォーターマンネン」の仕事は、日本全国の地域の暮らしや景観の変容に大きな影響を残しましたが、日本の治水事業に対する彼らの貢献は見過ごされています。彼らが成し遂げた革新的な土木工事は、日本の近代化という重要な時期において国際協力、知識や技術の相互交換を行った好例と言えるでしょう。この時期の功績はまた、出島時代末期から戦後、そして今日まで続く日本とオランダの永続的な絆を強固なものにしています。

掲載史跡

本デジタルマップは、オランダ人土木技師が設計または建設した日本各地の上水道を数多く掲載しています。これらの場所は、Louis van Gasteren (2000)、Luuk Kramer (2024)、Marike Klos and Leon Derksen (2016)によって初めて記録されました。加えて、日本とオランダの間の最初の交易所もこの地図で示しています。

クレジット

フィールドレコーズが主宰する「ウォーターワークス」は、明治時代に日本各地で開発されたオランダ式治水インフラを文章、写真、音声で紹介する共同プロジェクトです。

Civil engineering has shaped urban form and planning in Japan for centuries.
For long, the country has been threatened by natural hazards such as flooding,
typhoons, earthquakes and tsunamis — with engineering traditionally
providing the necessary defences.

During the Meiji era, the Japanese government invited Dutch hydraulic engineers
('watermannen') to help improve water infrastructure. Their innovative solutions
exemplified international collaboration during Japan's critical modernisation
period and underscores the enduring bond between both nations.

Initiated by Field Records, Waterworks covers over 50 Dutch waterworks developed
across Japan during the Meiji era. Navigate around the map and click on sites' names
to learn about their development — often accompanied by visual or sonic impressions.

長い間、台風、地震、津波などの自然災害に脅かされてきた日本。土木工学は従来より災害防御の
手段として、何世紀にもわたり日本の都市形態と都市計画を形成してきました。明治時代、日本政
府はオランダの水利技術者(「ウォーターマンネン」)を招き、国内の上水道インフラの改善に協力
してもらいました。オランダ人技師達が伝えた革新的な技術は、日本の近代化の重要な時期に大き
く貢献した国際協力の好例であり、両国の永続的な絆につながっています。

革新的な影響を与えたにもかかわらず、オランダ人技師による日本の治水管理への貢献は、今まで
大きく注目されていませんでした。本展示「Waterworks」は、明治時代に日本各地で開発された50
か所以上のオランダ上水道跡を展示した、フィールドレコーズ始動の日蘭共同プロジェクトです。
地図上の史跡名をクリックして、その場所の写真や音響とともに、歴史や開発当時の様子を学んで
みてみてください。